ツール・ド・おきなわ 市民レース210km

今年こそは完走を目指し3回目の挑戦。

リザルト : 5時間51分 106位   
http://tour-de-okinawa.jp/2012/004_results1.pdf

ガーミンデータ : 獲得標高2729m 平均速度35.3km/h

7時20分、レーススタート。
スタート直後から420人の大集団は今年も速い。
前半70kmは大きな登りはない。1km程の坂が3回ぐらい、あとは高速アップダウンの連続。
序盤は大集団の真ん中ぐらいで進む。

4人一緒。去年はひとりだったので今年は仲間がいて夢のよう。
gogoさんはハイテンション、SEIさんは黙々と慎重に、ひしさんは普段は不思議ちゃんだけどレースになると人が変わったように展開よんで冷静に。
でも途中で逃げとかしてやっぱり何考えてるかわからん不思議ちゃんだった。ていう初参加の3人。

一発目の登りはちゅら海水族館前。1km程の登りだが大集団は勢い劣らず爆走する。この程度で210kmにエントリーした猛者達はだれも切れないだろう。

工事箇所が多数あるが、選手はみんな傾向と対策で予習済みな感じが伝わってくる。
やっぱり参加者は皆、普久川ダムの登りに入るまでは落車は避けたいだろう。
選手同士で声を掛けながら、スピードは速いがある程度の安全マージンを持って走ってる。
210kmは経験者も多くて本当にみんな走りが上手い。
それでも落車は3回ぐらいはあった模様。
我々4人は誰も巻き込まれずに済んだ。

補給は固形食を少しずつ食べる。あんぱんとパワーバー1本。

登りに入る15km手前ぐらいから集団前方にあがる。
前から10〜15番手ぐらいに上がった時もあったが、他の選手もどんどん上がってくるので結局50番手ぐらいで普久川ダムに突入。この位置取り合戦でひしさんとは一緒だったが、gogoちゃんとSEIさんとは逸れてしまった。

登りはじめて直ぐに工事箇所があり道幅が半分ぐらいに狭くなるとこで落車発生。
ペダルからクリート外して完全に停止。

再走後、一緒に普久川に入ったひしさんはすでに先頭を追ってる模様。その後、gogoちゃんとSEIさんにパスされる。心拍数はすでにMAXに近いので無理して追わない。
っていうか追えない。彼らとは練習の時からレベルが違うの知ってるので焦らず次のパックで走る。

脚の合う選手と一緒に普久川をクリア。下ってまたアップダウンの繰り返し。ざっと100〜150人ぐらいの集団が形成。
前から30番手ぐらいをキープしながら沖縄北部の「奥」の登りに入る。
この集団内の選手のゼッケンを確認すると、去年50〜100位ぐらいの選手がたくさんいる。
ゼッケンは去年の順位で決まるので1位は401番、100位は500番という目安。

「この集団に残れれば間違いなく完走できる。」

奥の登りも前方で展開できた。この集団はアタックとかする選手はいないが、一定ペースで登って脚の無い選手は落ちていく。

下って2回目の普久川までの海岸沿いの平地。
ここは20番手以内をキープしながらローテに加わる。後ろは見てないけどさっきの登りで人数は減ってると思う。
短めのローテでハイスピードをキープ。
ここで補給して回復に努める。
沖縄に来る前にしんさんからもらった塩羊羹を4つ食べ、パワーバーを食べて2回目の普久川に備える。
固形食は食べきった。

そして2回目の普久川に突入。

去年はこの登りで自分のいたパックについて行けずに一人旅になったとこ。
今年は付いて行ける。中間ぐらいまではむしろ前方で展開できた。

しかし、この辺りからきつくなり脚が痙攣し始める。
先頭から少し遅れる。

やばい。

今年一緒に練習した仲間の顔を思い出す。
皆、がんばって来い!って言ってくれた。
こーきさんがもてぎの終盤で声援してくれた声が、再び聞こえたような気がした。
 
ここで終わるわけにいかない!

この集団から切れたら完走出来ない可能性もある。
もうすぐ下りがあるのがわかっていたので、そこで休める。ここは全力で踏み倒した。
心拍は再びマックス。
ハムストリングと大腿四頭筋が悲鳴をあげながらもなんとか連結。

下る前に2回目の給水所でボトルを3本もらう。去年は暑くて、2本だけでは次の給水までギリギリだったのでここは3本。1本はジャージポケットに突っ込む。
ついでにパワージェルひとつ補給して下りを兼ねて回復させる。

本日の最高速度はここで出た76.0km/h。

普久川を下ったらすぐに高江の登り。今年から関門箇所が変わったから高江ではない??

思ったより回復できた。前方で展開。時々先頭に出れるぐらい。もちろん無理してあげない。
このパックにいれば間違いなく完走できるはずなので、またゼッケンを確認して若い番号の選手の近くで登る。

有名なチームの選手もいる。この中で一緒に走れるのかなり安心感あり。でも決して楽ではないし、これ以上、上げられたら切れる感じだし、きつい。
人数もだいぶ絞られた雰囲気。
うしろは一度も見なかったので何人いるかわからない。

スタートしてから150kmぐらいの高江をクリアしてからは、アップダウンあるけど長い下り基調。

積極的にパワージェル補給。でも、もう気持ち悪くて、美味しくない。もともと美味しいとは言い難いけど。
それでも無理やり飲み込む。ハンガーノックになったらそこでTHE END。

下ってまたアップダウンの繰り返し。登りで自分のペースより集団が遅いと感じた時にはペース合わせながらダンシング入れてストレッチしたり、なるべく違う筋肉を使うようにする。

海岸沿いに出てまたしばらくの平地。だんだん牽く人数が減ってきた。自分はちゃんとローテに入る。牽かない選手もいるが気持ちもわかるし、牽ける選手だけでなるべくスピードをキープして短めでローテする。ここで20〜30人ぐらいだったのかな。
100kmや140kmクラスの選手も前から落ちてくるけど、脚の終わった選手ばかりで集団は増えていかない。

174km地点に最後の補給所。
2回目で3本もらったが結局1本余った。でもやっぱり2本では不安なので、重いけどボトルは3本もらって最後まで行くことにした。
スポドリ2本、水1本。

海岸沿いに再び出てちょっとの平坦区間があり残り20km。

前から見慣れたジャージが近づいてくる。
なんとgogoちゃんとSEIさんだ!
「gogoちゃん!!」と思わず叫んだ。

話を聞くと第2集団でのドンパチで消耗して千切れたらしい。
切れたふたりには悪いが自分はこの再会はめちゃくちゃ嬉しかった。

自分からみたら、彼らはほんとに強い。練習でもボコボコにされてきた。
そんなふたりでも付いて行けないなんて・・・やっぱり国内最高峰、ホビーレーサーの甲子園と言われるだけはある。
gogoちゃんは少し復活した感じだがSEIさんはちょっと元気なさそう。

いよいよ最後の羽地ダムへの登りが見えてきた。
パワージェルとメイタンを流し込む。

「あれ、登るんすか!?」とgogoちゃん。
自分と他の選手が「あれが最後だよ!」って答える。

このパック20人ぐらいで登る。そんなに居なかったかな。

右から3番目が自分。その左後ろはgogoちゃん。

トンネルまでは付いていけた。
トンネル越えて勾配が少し緩んで右折すると再びドカーンって坂が現れる。
去年はここで交通規制解除のパトカーが通過してDNFとなった場所。

登りに入ってやや遅れる。gogoちゃんは自分の前を先行しながらペース落としてくれた感じ。
「来てるーー!?」て声掛けられたけど、返事出来ず、心の中で「いるよーー!」
SEIさんは遅れる。前のパックでドンパチやった消耗が激しいようだ。

先月からの右膝がついに痛み出した。
ここさえ乗り切ればなんとかなる。もう壊れたっていい。

一旦勾配緩んでまたドーンって坂が来る。
これで登りは終わり・・・と勘違い。
gogoちゃんにはもう登りは無いって言ったら更にもう一回あった・・・
結局3段続いた登り。去年のこの辺りは意識がなくてフラフラ。あまり覚えてなかったみたい。

前の集団と差が少しある。なんとかなる距離だ。ゴールまでの平坦に入る前に下りで追いつきたい。
gogoちゃんが先行で加速していく。その勢いで自分もスリップに入りもうひと加速してgogoちゃんの前に出てなんとか集団と連結。
ありがとうgogoちゃん。

ゴール前の最後の関門「川上」を余裕のタイムでクリア。ここが去年タイムオーバーで計測チップを返却した関門。

左折して国道58号の大通りに入る。去年は普通のツーリングみたいに自動車が脇を追い越しながらの自走で名護まで帰った。
今年はこの広い国道はまだレースのために貸切だ。めちゃくちゃ気持ちいい。

短いジャスコ坂をなんなくクリア。集団は10人ぐらい。gogoちゃんは他の選手と無邪気にはしゃいでる。

残り「5km」の看板表示を確認。

名護に帰ってきた・・・

これまでの練習が走馬灯の用に駆け巡る。
チーム内外問わず、共にきびしい練習をしてきた仲間の顔が浮かぶ。
完走出来なかった一昨年と去年のことも思い出す。
一昨年は150kmで、去年は200kmでタイムオーバー。去年のレース後は会場に駐めてたレンタカーのハンドルに顔を埋めて、妻の待つホテルまでしばらく帰れないほど悔しかった。

「やべ、オレ泣きそう!」って一緒にいたgogoちゃんに叫ぶ。
ってこの時点ですでにサングラスの下は涙目だった。

「泣いちゃいましょう!」ってgogoちゃん。

左折して残り1km。

ゴールまで直線、アーチが見えた。

集団はどんどん加速してく。

どのカテゴリーも順位関係なく最後はスプリントするらしい。
スピード落として集団から離れる。自分はもう順位は関係ない。
完走が目標だったから。

オールスポーツのカメラマンがどこにいるかわからないから、かなり手前からガッツポーズしてゴール。

ちゃんと撮れたかな。

ゴールしてから号泣しちゃうかと思ったけど、完走した安堵感と、何より身体があちこち痛すぎてそれどころじゃなかった。
自分以外はみんな初めての沖縄なのにサクッと完走。実力からいったら当たり前だけど、もうちょっと感動してくれよ(笑)
でもこの日のために一緒に厳しい練習して、一番弱い自分を励ましてくれた最高の仲間だ。
そして過酷な210kmに一緒に挑んでくれて本当にありがとう。この日は絶対忘れない。



頼りになる相棒と。

今年で沖縄はもうやめようと考えていた。
練習は大変だし、センスないのかなあとか考えたり。

来年1月にはいよいよパパライダーの仲間入り。
練習量は減るだろうけど、やっぱり来年も挑戦してみようかな。
順位は関係なく、他の選手と同じ時間を共に楽しみ、苦しみ、励ましあってゴールを目指す。

そんなツールドおきなわは最高の舞台だから。

最後に関係者の皆さま、ボランティアの皆様、沿道で声援をしていただいた沖縄の皆様、本当に感謝してます。
この場でお礼申し上げます。